分かりやすい図表をつくる |
+ + Macの進化で「見る見るわかる」 + + 1997年、朝日新聞社の週刊誌「アエラ」の好評連載「見る見るわかる」が終了した。創刊準備の1988年から1992年まで、ビジュアル中心に情報を提供するこの見開きページの製作を、森下さんが担当していた。その4年間の図版を振り返って見ると、Macの進化とオーバーラップしているようだ。89年にMacintoshを導入後、森下さんは毎年のように新機種に更新。「見る見るわかる」の図版も、日進月歩するMacの高度なテクニックを使いこなして、「見る見る」うちに完成させていったのだ。 88年の創刊準備のころには、Macはまだ実用的ではなかったのです。準備号では「見る見るわかる」というタイトルではなく、朝日新聞社の概要を紹介するVISUAL DATABASEという名前のページでしたが、このときは、イラストと版下製版という従来の方法でつくりました。89年になって、飛行機や戦闘艦など、ごく一部の絵柄をMacでつくったのが最初です。 90年ころでもまだまだ文字の書体が少なくて、文字だけは別に写植でつくるという方法をとっていました。Macで下絵をつくってフィルム出力し、文字や数字を貼り込んで再製版するので、最初に文字の割り付けをきちんとやっておかないと文字がはみ出したり、間延びしたりと、やっかいなことが続出して、苦労しました。しかも、使用しているMacのメモリーは8MBしかなく、ちょっとデータが重くなると思うように動いてくれません。アエラの締め切りは、毎週1回必ずやって来ます。作業中のストレスは大変なものでした。 10年足らずで、Macもアプリケーションソフトも進歩して、いまではこんな苦労はありません。文字も絵柄も、いとも簡単にレイアウトできるようになりました。現在使用しているPowerMacは、ほとんどストレスなく仕事を消化してくれますし、アプリケーションソフトもバージョンアップを重ねて申し分ありません。いまはむしろ、余分なものをはずして軽くしたいと考えています。 構成 三代川律子[フリーライター] + + テクニック&ポイント 90年7月17日号の「見る見るわかる」。テーマは、つかまらないタクシー。8MBしか容量がなく、思うように動かない。タクシーの車両数のグラフをつくっているとき、タクシーのイラストを並べていたら、Macの動きが鈍くなった。このころは、下絵はMac、文字は版下でつくり、再製版していた。 平面上でデータをどう見せるか。表現の工夫としては、全体的に動きを出すことと、流れをつくることがあげられる。目線が動くので、図版が生きて来るからだ。 |
▼次の画面 AERAに連載された「見る見るわかる」Gallery。 + + |